スリーアウトになる時に、ランナーが本塁を踏んでいても、得点になるときとならないときがあります。その違いなどについてしっかりと理解していますか?感覚的にわかっている方もいらっしゃると思いますが、今回はその辺りのルールについて解説してみたいと思います。
野球規則上、得点が記録されるのはいつか
野球規則では5.08a 得点の記録という項目でルール化されています。
説明するうえで重要な箇所なので引用したいと思います。
5.08 得点の記録
2020 公認 野球規 より引用
(a) 3人アウトになってそのイニングが終了する前に、走者が正規に一塁、二塁、三塁、本塁に進み、かつこれに触れた場合には、その都度、1点が記録される。
基本はこのルールであるということをまず理解してください。
簡単なルールですが、今回着目するのは、
3人アウトになってイニングが終了する前
この部分です。この前に本塁までちゃんと進んでいれば得点は認められます。
は?スリーアウトになる前に本塁踏んだら得点が入るっちゅうことやろ
ホントにそうでしょうか。それを確認してみましょう。
では1つ質問です
例えば、このケースを考えてみてください。
2アウト満塁の場面で、打者がセカンドゴロを打ちました。
3塁ランナーは打者がアウトになる前に本塁を踏みました。
二塁手はセカンドゴロを取り、一塁へ送球し、打者をアウトにしました。
さてここで問題です。この場合得点は入るのでしょうか。
タイミングとしては”3人アウトになってイニングが終了する前”に本塁を踏んでいます。
前述のルールに照らし合わせると、得点が入るはずですね。
しかしこの場合得点は入りません。
ただ、ほとんどの皆さんは感覚的にこの場合得点が入らないということがわかっている人が多いと思います。
実はこのルールにはいくつかの例外が定められている
実は後出しで少し意地悪してしまってるんですが、このルールには例外がいくつか定められています。
その例外ルールによって前述の例では得点が入らないのです。
では、その例外について確認していきましょう。
例外その1
”3人アウトになってイニングが終了する前”に本塁に到達していれば得点が入るのですが、野球規則5.08aには例外が規定されているのです。その例外の1つが
打者走者が一塁に触れる前にアウトにされたとき
です。
打者走者が一塁に到達する前にアウトになった場合は、走者が先に本塁へ到達しても得点が認められることはありません。
つまり、先ほどの例では、セカンドゴロで打者走者がアウトになっているので、この例外ルールにより、得点は認められないことになります。
極端な例で言うと、2アウト満塁のケースでフェンス直撃の当たりを放って、走者が全員本塁へ返ってきたとしても、打者が打った際に足を怪我して走れなくなっていて、一塁に送球されてアウトになったら得点は1点も入りません。
例外その2
例外ルールはまだあります。それは
走者がフォースアウトになった場合
です。先ほどのケースでは一塁に送球してアウトにしましたが、例えば二塁に送球してアウトにした場合でも同じく得点が認められないことになります。三塁でも同じです。本塁に先に走者が到達していても得点は認められません。
例外その3
例外ケースの1と2は皆さんも感覚的にご理解されていると思いますが、もう1つあります。
前のランナーが塁を踏み忘れてアウトにされた時
例えば、2アウト満塁の場面で、打者がセンター前ヒットを打ちました。
3塁ランナーに続いて2塁ランナーもホームインしました。
しかしそのあと、3塁ランナーがホームを踏んでいない、とのアピールプレイがあり、審判がこれを認め、3塁ランナーはアウトになりました。
この場合、後からホームインした2塁ランナーの得点は認められないことになります。
前述の例外に該当しない場合
今挙げた例外に該当しない場合は全て第3アウトのタイミングとホームインのタイミングどちらが早かったのかによって得点が入るか入らないかが決まります。
2アウトランナー1塁2塁で、打者がライト前ヒットを打ちました。
2塁ランナーは3塁を回ってホームへ突入。ライトはゴロを捕球し、バックホームします。
ここで中継に入った一塁手がボールをカットし、本塁へは投げず1塁を回って2塁へ向かう打者走者にタッチしてアウトにしました。
このケースの場合は以下の通りとなります。
打者走者がタッチされる前に | 得点は |
---|---|
2塁ランナーが本塁へ到達していた場合 | 認められる |
2塁ランナーが本塁へ到達していない場合 | 認められない |
どちらが早かったかの判断は審判にゆだねられます。
チェンジと得点のタイミングもいろいろある
今回は3アウトと得点のタイミングについて書いてみました。
感覚的に知っていることもルールと照らし合わせてみてみると新たな発見もあります。
みなさんもルールを深く理解して野球をプレイしたり観戦したりしてみると意外な発見があるかもしれませんよ。
ルールは深いんや
りょーへーの深くない一言で終わりたいと思います。。