打者の打った打球がランナーに当たったらアウト!そう思っている人は多いと思います。そのルールってホントにあってるかどうか調べてみたことありますか?今回はランナーに打球が当たった場合のルールについて解説してみたいと思います。
まず結論から言ってみます
今回は結論から先に言います。
ランナーに打球が当たっても必ずしもアウトちゃうんやで!
基本的には打球がランナーに当たればアウトというのは間違っていません。
正確に言うと、例外となるケースがあるという表現があっているように思います。
ちなみに審判に当たった場合は別記事でまとめていますので、こちらをご覧ください。
まず、基本的なルール
まず、打球がランナーに当たった時にアウトになる基本的ルールは
野手(投手を含む)に触れていないフェアボールが、フェア地域で走者に触れた場合。
公認 野球規則 6.01a(11) より引用
に記載されています。これが皆さんがよく知っている、打球が当たったらアウト、のルールです。
このルールには例外がある
ただし、この続きには、例外が2つあることにも触れています。
ただし、走者がフェアボールに触れても、
公認 野球規則 6.01a(11) より引用
(A)いったん内野手(投手を含む)に触れたフェアボールに触れた場合
(B)1人の内野手(投手を除く)に触れないでその股間または側方を通過したフェアボールに、すぐその後方で触れても、この打球に対して、他のいずれの内野手も守備する機会がない場合
には、審判員は走者が打球に触れたという理由でアウトを宣告してはならない。
(A)についてはわかりやすいですね。投手と内野手に一回当たった打球がその後走者に当たってもランナーはアウトになりません。問題は(B)です。
まず、投手を除いた内野手の股間を通過したフェアボールとは
要するにトンネルのことやな
そうです。内野手がトンネルしたボールがランナーに当たってもアウトにはなりません。
もう1つの側方を通過したフェアボールというのは、内野手のすぐそばを通過したボールのことです。
それを理解したうえでもう1つ、この打球に対して、他のいずれの内野手も守備する機会がない場合とあります。
つまり、内野手がトンネルまたはすぐそばを通過した後でも、他の内野手がとれるかもしれない位置にいる場合、その手前で打球がランナーに当たるとランナーはアウトになります。
例)
三遊間に飛んだ打球をサードが取ろうとするが惜しくも届かず、ショートが回り込んでとれるかどうか、という時に先にランナーに打球が当たってしまった。
この場合はショートがとれるかもしれない位置にいるので、ランナーはアウトになります。
ショートが明らかに取れない位置にいた場合はセーフです。
ちなみに、同じ三遊間でもサードもショートのどちらも明らかに取れない打球がランナーに当たった場合はアウトです。例外事項に当たらないため、そうなります。
一旦まとめます
ここまでを整理すると以下の通りです。
- 打球がランナーに当たったら基本はアウト
- ただし、投手または内野手が触った後ならセーフ
- ただし、投手を除く内野手がトンネルした打球に当たった場合はセーフ
- ただし、投手を除く内野手のすぐそばを抜けた打球に当たった場合はセーフ
打球がランナーに当たった後のプレイは野球規則5.06c(6)に記載されています。
上記青枠の1のパターンの場合、直ちにボールデッドとなり、以下の処置がとられます。
- 打ったバッターは出塁。記録はヒット
- 他のランナーは元いた塁に戻る
- ただし、打者によって押し出されるランナーは次の塁に進む
(つまり四球と同じ考え方)
前述青枠の2.3.4のパターンの場合、ボールインプレイ、つまりそのままプレイが続行されます。
よくある疑問
ランナーがベースにいるときに打球が当たったらどうなるか
ランナーがベースに位置しているときに打球が当たると、なんとなくセーフな感じがしませんか?
実はそんなことはありません。
ランナーがベースにいようといまいと、打球が当たった場合のルールはこれまでに説明した通りです。
例外規定に触れない限りはアウトになります。
ただし、ここでも一部例外があります。それは次に説明します。
インフィールドフライの打球に当たったらどうなるか
インフィールドフライの場合も基本は同じですが、ランナーがベースについているときに打球が当たった場合は、ランナーはアウトになりません。(これがベースに触れているときの例外です)
ただし、ベースから離れて当たった場合はこれまでと同じくアウトです。
もちろんどちらのケースでも打者はインフィールドフライのためアウトです。
ベースに当たったあとの打球に当たった場合はどうなるか
ベースに当たった場合は、以下の通りです。これは野球規則5.09b(7)に記載されています。
- フェア地域で当たった場合はアウト
- ファール地域で当たった場合はセーフ
ランナーに打球が当たった場合、理解できましたでしょうか。
このパターンはいくつかの野球規則にまたがって説明していることもあって、意外と深いルールとなっています。
打球が当たったからといってプレイをやめる、なんてことが無いように、しっかりルールを覚えてプレイしましょう!
こういうプレイはいつか役に立つ時が来るんやで!!