打者の打った打球が審判に当たった時は石ころと同じだ!なんて野球のコーチなどに教わった記憶ありませんか?ほんとに審判って石ころと同じ扱いになっているのか、野球規則上でどうなっているのか。今回は審判に打球が当たった際のルールについて解説してみたいと思います。
審判は石ころだ!はホント?
少年野球なんかではよくこのように教えているかもしれません。
このルールがあっているのか。
まぁ基本はあってるけどな
ま、そうですね。大体の場合はこのケースになります。
では野球規則ではどうなっているか
では野球規則を確認しましょう。
野手(投手を含む)に触れていないフェアボールが、フェア地域で審判員または走者に触れた場合。
公認 野球規則 5.05b(4) より引用
ただし、内野手(投手を除く)をいったん通過するか、または野手(投手を含む)に触れたフェアボールが審判員に触れた場合にはボールインプレイである。
野球規則の5.05は「打者が走者になる場合」というくくりとなっています。
つまり、野球規則5.05b(4)の前半部分では「審判に当たったら打者は走者になりますよ」という説明をしていることになります。(この場合はボールデッドになります)
それを後半部分の「ただし~」の部分で、この場合はそうならずにボールインプレイになりますよ。と説明しています。
つまり
審判に当たったらボールデッドだけど、こういう時は「石ころ」扱いになるよ!
って説明をしているんですね。
この規則は走者に打球が当たった時にもよく似たルールになっています。
それについてはこちらをご覧いただければご理解いただけるかと思います。
ではなぜ一般的に「審判は石ころだ」といわれているか
前述の通り、ボールデッドになる場合と、ボールインプレイになる場合がありますが、なぜ一般的に審判が「石ころ」扱いされているかというと
審判に当たってボールデッドになるパターンの方が発生率が少ない!!
からなんですね。
実際にボールデッドになるパターンとは
では、野球のゲーム中で考えてみるとどうでしょうか。
ボールインプレイになるパターンは前述の通り
- 内野手(投手を除く)をいったん通過した場合
- 野手(投手を含む)に触れたフェアボールが審判員に触れた場合
ですね。1は簡単に言うと内野手の守備機会が終わって外野に行ったとき、2は誰かが触った時です。
これらの場合はプレイ続行。
ではボールデッドになるパターンはどうかというと、1と2の逆の意味になります。つまり
- 野手(投手を含む)に触れていないフェアボールが、内野手(投手を除く)をいったん通過していない場合
ということになります。(以下ケースAと表記します)
では、このパターンはどのような場合に発生するのかを考えてみましょう。
ボールデッドになるケースの考察
実際の野球をしている場合に、ケースAの状況になるのは、塁審が内野手より前にいるケースです。
ではその状況はいつ発生し得るのか。
打者が打つ時に、主審はもちろん、一塁と三塁の塁審が内野より前にいるケースは通常ないと思います。
(内野手が極端に一塁と三塁の塁審より後ろに守らない限りは、ですが)
となると、残るは二塁塁審です。
二塁塁審は、一塁または二塁にランナーがいるときに、打者が打つ前から二塁ベースより内側に位置を取ります。前述赤枠の状況が発生する可能性はほぼほぼ、このパターン一択ではないかと思います。
この状況で打者が痛烈な打球を放って、二塁塁審がよけきれず打球が当たってしまう。(緩い打球ならまぁよけれるでしょう)
この時にケースAの状況が生まれ、ボールデッドとなります。(打者は一塁へ進み、他の走者は打者に押し出されない限りそのままとなります。)
逆に(逆が多くてすみません)このパターン以外は審判に打球が当たってもボールインプレイです。
そのケースの方が圧倒的に多いことはわかっていただけるかと思います。
だから「審判は石ころや!」って覚えるんやな
おそらく、そう考えておいて差し支えない、ということでそういった指導がなされているのだと思います。
基本は「審判は石ころ!」の考え方でOK
概ねそのケースが多いということから、その考え方で問題ないでしょう。
そう思っていれば審判に打球が当たってもプレイを止めることはないでしょうし、例えボールデッドになったとしても元に戻されるだけなので。
ただ、ボールデッドになるパターンが発生した時に審判に文句言わないように気をつけましょう!
審判に「石ころ!」て言うたらあかんで!審判は神様やで~