2020年9月7日 プロ野球でいわゆる「田沢ルール」が撤廃されることとなりました。長年にわたり、NPBを経由せずに海外へ行く選手の帰国後の入団を制限するルールだったんですが、見直しによりなくなりました。そこで設定から撤廃までを簡単にまとめてみました。田沢ルールとは何なのか、一度ご覧ください。
田沢ルールとは
MLBのレッドソックスなどで活躍し、現在埼玉武蔵ヒートベアーズに所属している田沢純一投手が、日本のドラフトで指名しないようにお願いして、メジャーリーグ(MLB)に挑戦することを表明したことに端を発します。
MLB-NPB間では協定があるため、互いの国の選手への交渉を行わない紳士協定があるものの、日本野球連盟(いわゆる社会人野球)にはそれが適用されないため、アマチュアからMLBに行くことが出来てしまいます。
そうすると何が起こるか。
ええ選手がみんなメジャー挑戦してまうやないかい!
そうなんですねぇ。超有力選手がみんなMLBに直接行っちゃって日本のプロ野球やべーんじゃねーの?という思考(になったんじゃなかろうか)の結果、この田沢ルールが出来上がることとなりました。ざっくり言うと
日本のドラフトで指名を拒否した選手が、海外のプロ球団と契約した場合は、帰国後、高卒3年、大学・社会人は2年の間はNPB(日本野球機構)の所属球団とは契約できない。
というものです。
田沢ルールはどこに載っているのか
通常ドラフト会議のルールは「新人選手選択会議規約」というものに記されています。
いわゆる野球規則とは別になります。
・日本野球連盟(いわゆる社会人野球ですね)と契約したら2年間(中学高校卒は3年)は契約できない
・最下位から順に指名する
とか、まぁドラフト会議に関するルールが書かれています。
では「田沢ルール」はここに書いているのか。答えは
どこにも明文化されていない
というのが正解です。
実はこのルールは規約や規則には載っておらず、12球団の申し合わせ事項として存在するものです。
現在の田澤選手の状況
田沢投手はレッドソックスを初め、数々のメジャー球団を渡り歩きますが、2019年の3月にレッズとの契約を終了し、日本に戻ってくることになります。
前述の通り、田沢投手には田沢ルールが待ち構えています。
そのため、NPBとの契約は帰国後2年間はできません。
そこで田沢投手はルートインBCリーグ(日本の独立リーグ)の埼玉武蔵ヒートベアーズへ入団することとなります。
NPBに入る日を待ちわびて。。。
田沢ルールの撤廃
しかし!2020年9月7日、プロ野球の代表者会議によって撤廃が決まりました。
このルールについては元読売ジャイアンツの上原浩治投手や、「喝!」でおなじみの張本勲さんも撤廃を提言していました。
これにより、田沢投手は2020年10月のドラフト会議で指名することが出来るようになりました。
確かにこの田沢ルールが決まった時と現在では明らかに日本のプロ野球を取り巻く環境も状況も違うので、これは日本のプロ野球界にとって良い話なのではないかと個人的には思います。
しかし、このルール撤廃を受けて、なんらかの抜け道のようなものが発生しないかどうか、多角的に議論した方がいいようにも思います。また〇〇ルールなんてできてしまったら本末転倒ですもんね~。
以上、田沢ルールの設定から撤廃まででした。
田沢ルールとはさよならやで~